咳
咳は、肺や気管などの呼吸器官を守るために、外から体内に入ってくる異物を気道から取り除こうとする生体防御反応のことです。
異物が入り込むと、まず咽頭や気管、気管支などの粘膜表面にある感知器(咳受容体)が感じ取ります。そこで出た刺激が、脳の咳中枢に伝わると横隔膜や肋間膜などの呼吸筋(呼吸を司る筋肉)に指令が送られ、咳(せき)が起こる「咳反射」が起こります。
咳にはまた、気道にたまった痰を外に出す役割もあります。のどの粘膜にある粘液がウイルスや細菌などの病原体やほこりなどの異物をまとめ取ったものが痰です。気道に炎症ができていると痰が増え、粘り気が強くなります。痰は、外にむかって異物を追い出そうとする繊毛の運動と、咳反射によって外に出されます。
咳が出る病気は非常に多くの数があります。その中で代表的なものを挙げると、アトピー性咳嗽(がいそう=「咳」)、喉頭アレルギー、風邪(かぜ症候群)、気管支喘息、後鼻漏(こうびろう)、サルコイドーシス、COPD(慢性閉塞性肺疾患)、咳喘息、肺結核、肺がん、百日咳、マイコプラズマ肺炎などがあります。
咳の回数をなるべく少なくしたい場合は、のどを暖める方法が有効です。特に、温かい飲み物を飲むと、身体全体の保温効果もあるので、より効果的です。
通常、3週間もあれば完全に治癒するものですが、もし長期化するようなら、早めに医者に診てもらってください。