発熱
私たちが持つ身体は、常に一定の温度に保たれるようになっています。これを「平熱」と言って、おおよそ36~36.5℃の間に留まるようになっています。
ただ、平熱には個人差があり、同じ人においても測定する時間やその時の活動状態、測定する場所によって異なります。1日の熱の変化は、通常1℃以内で、それ以上だと「発熱」になります。
原因と症状については以下のようになります。
感染症
人間の身体がウイルスや細菌に感染すると、その人の身体は発熱します。発熱する目的は、体内に 入り込んだウイルスや細菌の増殖を抑えるためです。一種の身体の防御反応です。多くの場合、発熱は短期間で治まり、病気自体も2週間もあれば治癒するでしょう 。 むやみに解熱剤を服用するとウイルスや細菌の増殖を助けることとなり、完治に時間がかかる場合がかかってしまう場合もあります。
アレルギー性疾患・悪性腫瘍
この場合、38℃以上の高熱が2週間以上続きます。リウマチや膠原病などのアレルギー性疾患や、ガンによる発熱が考えられます。精密検査が必要です。すぐに病院に行きましょう。
うつ熱
日射病や熱射病が原因です。厚い太陽の日差しが照りつける中、野外活動をしたり、密閉した室内で激しい運動をしたりすると、周囲の温度が高すぎるため、体内の熱が放散しきれず体温が異常に上がることになります。皮膚の薄いところを中心に、すみやかに体温を下げることが大切です。
他の症状でもそうですが、発熱も目的があって発熱するものです。むやみに解熱しても良くない点もあります。それぞれメリット、デメリットを挙げると、
メリット
- ウイルスや細菌など、身体の熱と比べて低温を好む微生物の増殖を抑える。
- 白血球の殺菌能力・身体の免疫能力を高める。
デメリット
- 身体全体が普段より高熱になるという、異常状態になるため体力を消耗する。
- 頭痛・倦怠感などの不快感が出る。
- 発汗で塩分・水分を喪失する。
- 心臓に負担がかかる。
- 発熱の温度によっては幻覚・幻聴が出ることもあるので、ひきつけ発作・精神障害を誘発することがある。