フルミスト(注射器を使わない新しいインフルエンザワクチン)
■どんなワクチン?
アメリカでは20年以上の使用実績があるワクチンですが、今シーズンから国内でも正式に承認され、使用される運びになりました。
■メリット
・経鼻弱毒生インフルエンザワクチン
鼻の中へ吹き付けるインフルエンザ感染予防のための生ワクチンです。鼻腔内にスプレーを吹きかけるだけなので痛みがありません。
・予防効果が高い
インフルエンザウイルスは主に気道粘膜に感染するため、鼻腔に直接免疫をつけるフルミストは現行の注射ワクチンで誘導されるIgG抗体だけでなく、気道分泌型IgA抗体も誘導するため、予防効果が(特に小児において)高いと考えられます。また、いきたウイルスで免疫を作るため、流行しているインフルエンザと株が違っても発症を軽症化させる作用があります。
・効果は1シーズン
効果の持続は皮下注射による効果の5カ月間に対し、フルミストでは約1年効果が持続するとされていますので、小さいお子さんでも1回接種で大丈夫です。
■接種対象・費用
〇対象:2歳~18歳の方
〇接種費用:自費8,500円
■主な副作用
ワクチン接種後にくしゃみが出たり、のどに垂れたりすることがありますが、飲み込んでも特に問題ありません。
・40~50%の方に鼻炎・鼻づまりなどの鼻炎症状が出ることがあり、特に子供や若年者に多く見られます。鼻腔内で直接免疫反応を引き起こすことが原因であると考えられています。
・5~10%が咽頭痛、発熱など軽度の感冒様症状を認める場合もあります。これらの症状は免疫系がインフルエンザウイルスに対して反応することでおこるものであります。これらの症状が出た場合は、十分な休息と水分補給を心がけることが大切です。
・3~9%の接種者が頭痛を経験することがあります。鎮痛剤で対応可能なケースが多いです。
これらの副作用はほとんどの場合、一時的で数日以内に自然に解消します。
・ごくまれに発疹、蕁麻疹のほかにアナフィラキシーショックやギランバレー症候群の報告があります。
■予約方法
下記の予約サイトからご予約下さい。
⚠️通常の予防接種とは予約方法が異なります。
⚠️本数に限りがあり、先着順となります。お電話でのお問い合わせはお控えください。
https://airrsv.net/ambeclinic/calendar
■注意点
・本剤接種4週間以内はワクチンウイルスが残存している可能性があるため、本剤由来のワクチンウイルスがインフルエンザの迅速検査で陽性反応を示す可能性があります。
・CDCガイドラインでは接種後2週間でワクチンの効果が得られるとされており、本剤投与後2週間以内に抗インフルエンザウイルス剤(タミフルやイナビルなど)を使用すると、ワクチンウイルスの増殖が抑制され、本剤の効果が減弱する可能性があります。
Q.他ワクチンとの同時接種は可能か?
→他のワクチンとの同時接種は可能です。
Q.ほかの点鼻薬は併用できますか?
→フルミストはほかの点鼻薬との併用に制限はありませんが、ステロイド点鼻液等、その併用時の安全性は確立していません。
Q.ワクチン同士の接種間隔はどうなの?
→フルミストは経鼻用生ワクチンですので、間隔をあけずにほかのワクチンを接種することは可能となっています。