いびき・睡眠時無呼吸症候群

いびき・睡眠時無呼吸症候群

こんなお悩みありませんか?
 
 
  眠っている時  
◇大きないびきをなんとかしたい
◇時々息が止まっていると心配される

息が苦しくて目が覚める
 
  朝起きた時  
◇やけに喉が渇いている
頭痛がする、だるさがある

◇スッキリ起きることができない
◇目覚ましをかけているのに起きれない
 
 日中、起きている時  
◇寝たはずなのに強い眠気を感じる
◇全身のだるさ疲れが取れない
 

そのお悩みもしかしたら睡眠時無呼吸症候群が原因かもしれません。
睡眠時無呼吸症候群は放っておくと、日常生活に支障をきたします。
時には重大な病苦や交通事故につながることのある病気です。

睡眠時無呼吸症候群とは

「睡眠時無呼吸症候群」とは、読んで字のごとく、『眠っている時に呼吸が止まってしまう病気』です。英語名の”Sleep Apnea Syndrome”の頭文字をとって、「SAS」とも呼ばれます。睡眠時無呼吸症候群の医学的な基準としては、10秒以上呼吸が止まった(気流停止)状態を無呼吸として、無呼吸状態が

①一晩に30回以上
②1時間あたり5回以上

のいずれかの発生です。自分の寝ている状態をしっかり把握している人は少ないので、今認識されている「睡眠時無呼吸症候群」患者のほか、ご本人の自覚のない患者様が多くいると想定されています。

睡眠時無呼吸症候群の原因

人が眠っている時に呼吸が止まってしまう要因には、大きく2つあります。

気道が物理的に狭くなり、呼吸が止まってしまう閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)

物理的に気道が狭くなるのには、主にその人の骨格が影響します。
たとえ体重の増加などで身体の容積が増えても、そもそも骨格が大きければ気道が狭くなることはあまりありません。問題なのは、骨格が小さい人です。特に顎が小さいと言われる人は骨格が小さい傾向にあります。

呼吸中枢の異常による中枢性睡眠時無呼吸(CSA)

こちらは、脳の中の呼吸を司る延髄から呼吸の指令が出なくなる異常により起こるものです。閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSA)とは違い、身体の部位には何も異常はありません。気道も開いた状態にあります。一方で、OSAのように呼吸しようとする動きが見えないのがCSAの最大の特徴です。

睡眠時無呼吸症候群(SAS)が引き起こす病気

睡眠時無呼吸症候群は、いびきや眠気などの問題にとどまらず、糖尿病などの生活習慣病、脳卒中、心筋梗塞などを引き起こす可能性があります。

 「たかがいびき」や「眠気があるけど我慢すれば大丈夫」と思うかもしれませんが、呼吸が止まると血圧が高くなり、心臓に負担がかかるため、脳梗塞や心筋梗塞のリスクも高くなります。代謝機能にも影響が及ぶことから、糖尿病や生活習慣病とも関係があると考えられています。

睡眠時無呼吸症候群は、30代以降の男性に多い疾患ですが、女性や若い世代にも多くみられます。早期の発見、治療によって健康を維持しましょう。

睡眠時無呼吸症候群(SAS)の検査方法

①簡易検査 ※自宅で検査することができます

まずは医師による診察を受けていただき、そこで簡易検査が必要と判断されれば、自宅でできる簡易検査を行います。この検査では睡眠中の呼吸の状態、血液中の酸素飽和度等を同時に測定し、無呼吸・低呼吸の有無を調べることができます。検査はご自宅で簡単に行うことができ、テープでセンサーを貼り付け、本体のボタンを押して検査をスタートさせ、いつもどおり眠っていただくだけです。この検査の結果によっては、さらに精密な入院検査が必要となります。

 検査料金(保険適用) 
3割負担の方:2160円 1割負担の方:720円
※初診料・再診料、必要に応じて処置・別の検査を行った場合は別途費用が発生いたします。

②精密検査(PSG検査)※自宅で検査することができます

この検査は、簡易検査よりもさらに詳しく睡眠と呼吸の(質)状態を調べる検査です。簡易検査では行わなかった脳波も調べていきます。脳波を調べることで、睡眠中のみの無呼吸の状態が測定できるので、より正確な睡眠時の呼吸状態を測定することができます。頭や胸、腹、脚などに電極やセンサーを着けますが、痛みなどはありません。日頃ご家庭でお休みになるようにリラックスして検査をお受けいただけます。当院では自宅で受けていただける検査を行っています。

 検査料金(保険適用) 
3割負担の方:9900円 1割負担の方:3300円
※初診料・再診料、その他諸経費は別途費用が発生する場合があります。

治療法・対策

睡眠時無呼吸症候群の大きな原因の一つは肥満があります。治療の前提として、根本的な生活習慣の改善を図る必要があります。
それを前提とした上で、治療法としては、3つの方法があります。

CPAP療法

CPAP療法とは、「経鼻的持続腸圧呼吸療法」という英語の頭文字をとっています。鼻から常に空気を送り続けて気道が開いている状態にして、いつでも呼吸できる状態にする治療法です。
空気を送るためのマスクを装着して寝ることになるので、不安を持つ人もいます。ですが重要なのは、健康的に眠ることができているか否かです。それほど強い空気が送られるわけではないので、安心して治療を受けてもらえると思います。
睡眠時無呼吸症候群で、欧米、日本で最も普及している治療法です。

マウスピース

こちらの治療法は、マウスピースを用いて下あごを上あごより前に出るよう固定して気道を広く保ち、いびきや無呼吸の発生を防ぐ治療法です。
マウスピースをつけるだけ、ということで楽に治療できると感じられると思いますが、一方でマウスピース治療の効果があるのは比較的症状が軽いものに限定されるというのがあります。重症患者にとっては効果がないこともありますので、主治医とよく話し合った上で治療法を決定していくようにしましょう。

外科的手術

睡眠時無呼吸症候群の原因がアデノイドや扁桃肥大の場合は、摘出手術をすることが有効なこともあります。
ただ、治療の効果があまり有効でなかったり、何年か後に手術部位がケロイド化して症状が再発することも考えられなくはありません。
根治療法にはなりますが、治療の持続性という部分では、効果が高いというわけではないかもしれません。

”睡眠時無呼吸症候群”かもと思った方は早期に検査を受けることが重要です
SAS検査は、自身の眠りの状況をチェックし、病気や事故などを起こさないために受けていただきたい検査です。
一番いけないことは、”睡眠時無呼吸症候群”に気付かずに、病気や交通事故を引き起こしたり、日々のパフォーマンスが落ちたりすることです。 少しでも気になる方は、早期に検査を受けることをご検討いただければ幸いです。